すっぴん
突然のように、メイクをやめた人の企み。
まれに、キレイになることを突然のようにやめてしまう人がいる。
それまでは、人一倍きちっとメイクしている人に限って、突然・・・。
一体何があったのか。
あるいは何もないのか。
だったらなぜ、突然やめてしまうのか。
それが知りたくて、私はその理由をある女性にずうずうしくも聞いたことがある。
少なくとも2週間前までは、きっちりメイクをしていたのに、彼女はぱったりとメイクをやめ、それ以降、一度たりともメイク顔を見ていない。
これは明らかに何かがあったケースです。
「何かあったと言えばあったし、なかったと言えばなかったし・・・。でもちょっとね。要するに何もかもやんなっちゃって。メイクは単に面倒くさくなっちゃっただけ」
そんな答えだった。
つまり彼女の場合は、すべてがやんなっちゃって、そのためにメイクなどしてる心のゆとりなど、すっかりなくなってしまったらしい。
当然、彼女は一度に10歳も20歳も歳をとってしまったようにやつれて見えた。しみも丸見えだったし・・・。
こんな時「大丈夫?」という以外に言葉はみつからない。
しかし約一年後、私は彼女のメイク顔を再び見ることができた。
「やっぱりその方が生き生きしていていいわよ」と思わず言ったが、彼女からは意外な答え・・・。
「自分でもわかってたけど、メイクしてると、今までの私だと思って人が接してくるでしょ。それがイヤだったの。突然スッピンになったら、さすがに人が引いたわよ。よほど機嫌悪そうに見えたのね。事実、機嫌悪かったから。しめしめって感じよ」
すごいと思った。
ふつうの女はメイクをキレイになるための手段としてしか見ていない。
この人は明らかに"自分の心情をアピールするため"そして"人をよせつけないため"にメイクをやめた。
そしてメイクで再び人をよせつける。
不機嫌なスッピンも、彼女にとっては立派なメイクなのかもしれない。
そこまでメイクを操れるという意味で、彼女はメイクの天才であると思った。